令和3年11月に障害者雇用パートナー事業の一環で企業の方と共に水戸高等特別支援学校の見学に行きました。

*自立学実践研究所の「障害者雇用パートナー事業」

障害者雇用パートナー事業

 

水戸高等特別支援学校は、主に軽度の知的障がいのある方が通う学校です。

1年生から3年生まで合わせて143名の生徒が通っています。

学校の概要は以下の通りです。

 

「高等部単独の特別支援学校であり、卒業後は「企業等へ就職し、働き続ける生徒を育てる」ことを使命としています。設置している学科は「産業科」であり、働くために必要な知識・技能・態度を育成してことを目指した教育課程を設定しています(パンフレットより抜粋)。」

 

教育課程の中に専門教科があり、4系統8コースで構成されています。

教育課程編成表(パンフレットより抜粋)

訪問した際には主に専門教科の活動を見学させて頂きました。

クリーニングの様子

製パンの様子

ウッドクラフトの作品

ソーイングの様子

ビルメンテナンスの道具

資格取得や技能検定にも力を入れていました(パンフレット抜粋)

 

2年生の時点で専門教科の8コースの中から1つのコースを選択しなければならないようですが、選択したコースの内容と就職先は必ずしも同じになるとは限らないようです。

先生いわく、各コースで技術を習得することも大切であるが、それ以上に仕事をする際の報連相・指示理解・主体的に考えるなどのやりとりの経験とその成長が大切であると言っていました。

水戸高等特別支援学校に入学すると1年生時は基本的に寄宿舎に入ります。

そして、1年生の時から生活のスキルが身につくようにトレーニングをします。

寄宿舎に貼ってある個人の生活スキルが確認できる表

生活のスキルの項目には、洗濯、整理整頓、掃除、身だしなみ、あいさつ、時間などがありました。

寄宿舎の中には、みんなで食事がとれる広い食堂がありました

 

寄宿舎で生活スキルが身につくため、卒業後はすぐにグループホームに入る生徒さんもいるようです。

就職を意識した学校ということもあり、卒業後の就職率は96%でした。

しかし、先生は就職率以上に生徒が長く働き続けることを気にかけていました。

 

学校生活の中で生活スキルや仕事面で「できること」を少しでも増やし、長く働き続けられるスキルを生徒さんに身につけて欲しいという熱心なお話を聞くことができました。

そのような文脈もあり、学校も就職後のサポート(定着支援)に力を入れていました。

 

就職した生徒の企業にアンケートを取り、就職先のニーズを把握して、それを現場(教育プログラム)に反映しているのが素晴らしかったです。

 

水戸高等特別支援学校は、生徒本位の自立を熱心に考える特別支援学校でした。

 

「茨城県内で知的障がいのある子ども育てる親御さん」や「茨城県内で障害者雇用を進めている企業の担当者さん」は見学をお勧めします。

 

茨城県立水戸高等特別支援学校のホームページ↓

https://www.mitokoutou-sn.ibk.ed.jp/?page_id=156